続・空き缶が転がらないのお話

続・空き缶が転がらないのお話

前の記事「空き缶が転がらないのお話」で、粘土を詰めた空き缶を坂道に置いても転がらない・・・というお話をしましたね。おうちで試してみた方もいらっしゃいますか?今回はその仕組みを考えてみましょう。

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抗力が重力を支える

中学で勉強するように、どんなものにも「重力」という下向きの力が働きます。もちろん、空き缶にも働きます。重力は、「重心」という点にかかりますが、何も詰めていない空き缶の場合は、重心は真ん中あたりになります。

このままでは空き缶は下向きに落ちてしまいますが、机の上に置くと、「抗力」という上向きの力が発生して空き缶を支えてくれます。

この抗力は、空き缶と机が接触している点にかかります。次の図のように、重力と抗力がうまく打ち消しあって、空き缶がその場にとどまるのです。

抗力が重力を支えられないことも

では、机を少し傾けるとどうなるでしょう。重力は重心(空き缶の真ん中)にかかり、抗力は空き缶と机が接触している点にかかりますから、次の図のようになります。

こんな風に力の矢印がずれていると、どうなると思いますか?空き缶は反時計回りに回転してしまいます。

よくイメージできない人は、机の上に何か物を置いて、力の矢印の線がずれるようにして反対向きの力を加えてみてください。グルッと回ってしまうでしょう。これと同じことが坂道の上で起こっているのです。

おっと、粘土を詰めた空き缶が転がらない理由を説明するスペースがなくなってしまいました。次回こそ説明しますので、それまでいろいろ観察したり、考えたりしてみてくださいね。

空き缶シリーズへのリンク

【1】空き缶が転がらない|【2】続・空き缶が転がらない|【3】一旦まとめ|【4】転がる=転ぶ?|【5】空き缶が倒れない

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出典

この記事はちゅーピー子ども新聞 2010年9月号(9月1日発行)10面に掲載した記事を加筆修正したものです。

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