この記事をリライトしている2018年9月は、西日本豪雨災害のため不通になっていたJR呉線の西半分が無事開通した記念すべき月です。そんなわけで(というわけではないのですが)、電車の中でちょっと考えてみると面白い話題をお届けします。
手にハンカチを持って電車に乗っているとしましょう。電車が走っているとき、うっかりハンカチから手をはなしてしまったら、ハンカチはどこに落ちますか?
ハンカチはどこに
・・・え、手の真下に決まってるじゃないかって?
じゃあ、電車が走っているときにちょっと真上にジャンプしたら、どこに着地するでしょうか?
・・・え、飛び上がったところに着地するに決まってるじゃないかって?
そうですかねぇ~?ハンカチが手からはなれている間にも電車は前に進むんですよ。ハンカチが床に落ちる前に電車が少し前に進むとすると、ハンカチは後ろの方に落っこちませんかね?
ジャンプした場合も同じように、自分が浮いている間に電車が前に進むので、飛び上がったところよりも少し後ろに着地してしまうんじゃないでしょうか?
でも実際にハンカチを落としてみてください。手の真下に落ちますよね。電車は前に進んでいるはずなのに、これはどうしたことでしょう。頭が混乱してしまいませんか?
視点を変えてみる
ここで視点を変えて、電車の外からこの様子を観察してみましょう。ハンカチを手に持っているとき、電車の外から見ると、ハンカチはどう見えるでしょうか?電車と同じ速さで前に進んでいますよね?いまいち想像できない方は、電車がスケスケのスケルトンだとしたらどう見えるか・・・と想像してみてください。
ここでハンカチから手をはなすと、ハンカチは電車と同じ速さで前に進みながら、下に落ちていくのです(そう思いませんか?)。つまり、電車が前に進んだのと同じだけハンカチも前に進むので、手の真下に落っこちるわけです。
このように、視点を変えてみると新しいことに気づくことがありますよ。
この話は、私が中学1年生のときに電車の中で同級生と激論を交わしたネタがもとになっています。あまりに声が大きかったらしく、私たちより前の停留所で下りたお兄さんが微笑みながら正解を教えてくれたのですが、そのときはよく分かりませんでしたね・・・。もしかするとこの記事をお読みになった方も同様に「よく分からん」と思われるかもしれませんね。どうぞコメント欄で質問などお寄せください。
ちなみに私が愛読している「科学のネタ帳」さんでは「電車の中でジャンプするとどうなるか?」という観点から、分かりやすい実験のムービーを公開されています。こちらの記事をどうぞ。
視点を変えるシリーズへのリンク
【1】視点を変えてみる|【2】回りながら見る|【3】続・回りながら見る|【4】コリオリの力
出典
この記事はちゅーピー子ども新聞 2009年9月号(9月1日発行)10面に掲載した記事を加筆修正したものです。
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