「回りながら見てみると・・・のお話」で、回転する円板の中心から端に向けてボールを転がすとどうなるか、ということを考えました。
外から見ればボールは端に向かってまっすぐ転がります。しかし、その間に円板が回転してしまうので、円板の上に立つと、ボールは曲がって転がるように見えるのでしたね。
この記事では逆の状況を考えてみましょう。一定の速さで回転している円板の端に立っているスーちゃんから、円板の中心に立っているリー君に向かってボールを転がすことを想像しましょう。どうなりますかね・・・?(もちろん、円板はつるつるしていて、ボールが減速したり曲がったりはしないと考えましょう)
円板の外から見ると
今回は、円板の中心のリー君は動かないので、うまくボールをキャッチできるのでは・・・と思いませんか?
ではまず、円板の外から見てみましょう(上の図のハカセの視点です)。投げる前、ボールは円板といっしょにぐるぐる回っています。つまり、ボールははじめから横向きに動いていることになります。そこで中心向きにボールを転がすわけですから・・・ボールは斜め方向に転がり始めます!
ボールはそのまま転がっていきますから・・・
当然、円板の中心には全く届きません!
全部まとめてみた図はコチラです。ちょっと小さいですが、クリックすると大きくなります。
一緒に回りながら見てみると
では、円板の上に立ってこの状況を観察するとどう見えるでしょう?
一定時間ごとに円板の上にあとをつけてありますので、もう一度図をよく見てみてください。
円板の中心に向かって転がされたはずのボールが、じょじょに右向きに曲がって見える様子が分かります。
動画はコチラです。
ともかくこのように、回転する円板の上では、ボールは進行方向に対して横向きに曲げられてしまうように見えるのです。
視点を変えるシリーズへのリンク
【1】視点を変えてみる|【2】回りながら見る|【3】続・回りながら見る|【4】コリオリの力
体験してみましょう
ちなみに広島市には、こども文化科学館に「くるくるステージ」という設備がありました。ここで実際にボールが曲がる様子を体験できますよ。・・・というのはこの記事を公開した2010年の情報でして、リライトしている今(2018年)にも稼働しているのかどうかは定かではありません。
他の地域にも同じような設備がありますか?あればぜひ行ってみて、どうだったか教えてくださいね。
出典
この記事はちゅーピー子ども新聞 2009年11月号(11月1日発行)10面に掲載した記事を加筆修正したものです。
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