ぎゅっと押さえるとふくらんで・・・のお話

ぎゅっと押さえるとふくらんで・・・のお話

前回の記事「かたくり粉を水でこねたらのお話」では、かたくり粉を水でこねると面白い感触になるということをご紹介しました。水でこねたかたくり粉は、静かに放っておくとどろどろの液体のように動きますが、握ったりたたいたりして力を加えると、急に固体のようになるのでしたね。一度固くなっても、加えた力をゆるめると、再びどろどろになって流れ出します。

どうしてこのようなことが起こるのでしょう?調べてみました。

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粒の並び方

この現象は、「かたくり粉の1つ1つの粒が、水中でどんな風に並んでいるか」ということが鍵になっています。粒の並び方は、大きく分けて2通り考えられます。粒と粒の間にできるくぼみに別の粒が入り込む並び方(図のa)と、粒と粒が単純に積み重なる並び方(図のb)です。bの方が少し体積が大きいですね。

かたくり粉に力を加えているときと力を抜いたときで、粒の並び方はどのように変わると思いますか?「力を加えると押しつぶされる感じになるからaかな?」とか、「いやいや、静かに置いたときの方が自然にたれていってaになるのでは?」など、いろいろな想像ができますね。

正解は、「静かに置いたときがa、力を加えたときがb」なんだそうです(書物によればそうなのだとか)。その結果、次のようなことが起こります。静かに置いているときは粒がaのような並び方になり、水が粒のすき間をまんべんなくうめています。水のおかげで、粒はどろどろと流れることができます。ところが、力を加えて粒がbのような並び方になると、すき間が増えるので水が下の方に吸い込まれてしまいます。そうすると、水なしに粒と粒がこすれあう部分ができてしまい、うまく流れることができなくなるのです。

かたくり粉の実験中によくよく観察してみると、かたくり粉にグッと力を加えたときに表面から水がなくなって、乾いた感じになることが分かります。やはり水が下の方に吸い込まれているのでしょうね。このような性質のことを「ダイラタンシー」と呼びます。興味のある人は、さらに調べてみてはいかがでしょうか。

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実験動画などのある第1話はこちら

かたくり粉を水でこねたらのお話

参考

出典

この記事はちゅーピー子ども新聞 71号(2012年10月21日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。

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