氷ができるまでのお話

氷ができるまでのお話

いよいよ寒くなってきましたね。学校に行く途中に氷の張った水たまりを見つけて、踏んづけてみたら割れて靴が水びたしに・・・なんてことが起こりやすい季節ですね。今回はこういう寒~いお話です。

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水は4℃のとき最も重い!!

「対流のお話」の最後で、グラスに入れた氷水の上の方と下の方の温度を測ってみてください・・・と提案しましたが、おうちでやってみましたか?上の方は0℃で、下の方は4℃になっていたのではないでしょうか。

・・・「あれっ?」と思いましたか?確か前回の記事では「温かい水はふくらむので上の方に浮かんでいく」という話でしたよね。どうして氷水だと温かい水の方が下に沈んでいるのでしょう。

実は、水は4℃のときが一番縮こまっていて、それより温かかくても冷たくてもふくらむ性質があります。ですから水が全体的に4℃より温かければ、温かい水ほど浮かびますが、水が全体的に4℃より冷たければ、冷たい水の方が浮かんでいくのです。

水が凍るとき・・・

水には他にも面白い性質があります。それは「氷になるとふくらむ」という性質です。その証拠に、氷水の氷は、水の上に浮かんでいますよね。

水のこのような性質のため、冬の池や水たまりでは次のようなことが起こっています。

寒くなってくると、水面から水が蒸発して熱をうばうため*1、池は表面からしだいに冷えてゆきます。

池が全体的に冷えてくると、水面が0℃、底の方が4℃になるでしょう。水は0℃になると凍りますから、水面から氷ができていくことになります。

そして氷は水に浮くので、できた氷が水面をおおい、水の蒸発が減るため、中は水のままで残るわけです。ですから池に氷が張っていても、中では魚が泳いでいたりします。

もし水が逆の性質を持っていたら、池の底の方から氷ができていって、池全体が凍ってしまうことになるでしょう。そうすると魚も生きていけませんから、私たちの世界も今とはずっと違った様子になってしまうのでしょうね。

実際にコップの中に氷水を作って、上と下の温度を測ってみた記事はコチラです。

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*1:水が蒸発するときに周りからうばう熱のことを気化熱といいます。お風呂上がりに体をよくふかないでいると、ゾクッと寒くなることがありますね。これも気化熱のしわざです。

ちゅーピー子ども新聞2009年1月号(1月1日発行)10面に掲載した記事を加筆修正したものです。

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