しずくの中からコンニチハのお話

しずくの中からコンニチハのお話

長風呂をしていてお風呂場の鏡をながめていたときに、面白いことに気づきましたのでご紹介します。

鏡に水をざっとかけてみましょう。水が流れ落ちていったあとにしずくがたくさん残りますね。そのしずくを見てみてください。目の前にあるしずくがいいですよ。何か気づきませんか。しずくを見ながら、目のピントを遠くにしたり近くにしたりしてみてください。・・・ほら!しずくの中からこちらを見つめる視線に気づきますよね。そう、自分自身がひっくり返ってこちらを見ているはずです。

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顔を動かしてみると

顔を動かしていろんなしずくをのぞき込んでみると、どのしずくを見ても「ひっくり返った自分」がこちらを見つめているはずです。ただし、目の前のしずくでないとダメですね。横目で遠くのしずくを見ても、おそらく自分の顔は映らないと思います。

なぜこうなる

さて、どうしてこんなことが起こるのでしょう。理科の時間に習う内容で考えてみましょう。しずくは真ん中がすこしふくらんだ形ですから、たぶん凸レンズが関係ありますね。凸レンズで像ができる様子を復習しましょう。凸レンズには「焦点」という点があって(図の×印)、光軸に平行に進んできた光は焦点を通り、レンズの中心に進んできた光はそのまま直進するのでしたね。この2つの光線が交わるところに像ができると習います。もしこの凸レンズを右からのぞき込むと、上下ひっくり返ったリスの姿が見えるでしょう(ちなみにこのリスの名前は「リー」君です)。

鏡についたしずくは、この凸レンズを縦に半分に分けたような形をしていますよね。つまりこんな感じになっています。

この図に、レンズと同じように光線を書き込んでみましょう。えっ、鏡があると難しいですか?でも鏡って、来た光をそのままはね返すだけなので、この図でいえば「鏡がなかったらこう進む」という光線を書いてみて、それを左右対称に折り返せばよいですよね。鏡の中にしずくの右半分をイメージして、凸レンズと同じように作図をして、左右折り返してみてください。次の図の赤い線のようになると思います。

おそらくこのような理由で、しずくの中に自分の顔が見えているのだと思います。一度、お風呂場や洗面所で鏡についたしずくをのぞいてみてください。面白いですよ。

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出典

この記事はちゅーピー子ども新聞 79号(2013年2月17日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。

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