「おかえり呉線プロジェクト」を応援します!

「おかえり呉線プロジェクト」を応援します!

JR呉線は現在、西の半分(海田市-安浦間)は通常通り運行していますが、東の半分(安浦-三原間)は不通となっています。来る12月15日、ついにその区間も復旧になります。それにあわせて、開通した電車に向かって手を振ろう!という「おかえり呉線プロジェクト」というものが動き始めています。チラシ(pdf)はこちらです。

このプロジェクトを紹介する記事を書きたいと思います。

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2018年7月。自分の町で災害が起こるとは

私が住んでいる広島県呉市は、今年の夏・7月6日に豪雨災害に見舞われました。「西日本豪雨災害」とよく呼ばれている気がしますが、気象庁の発表では「平成30年7月豪雨」となっているあの災害です。

5000以上もの箇所で土石流が発生しました。

多くの人の命が失われ、また平穏な生活が破壊されました。

この記事を書いている時点でもまだ土砂が流入したままの家屋のある地域もあり、ボランティアを中心に土砂のかき出しが続いています。被災地情報については、災害当初から発信を続けておられるkurepさんのサイトがおすすめです。

 

西日本豪雨から〜4ヶ月経ちました

 

日常生活がとても高度なシステムに支えられていることに驚愕しつつも、結局はまず個人でできることは備蓄と避難しかなく、土砂のかき出しも人海戦術で行うしかないという不思議なアンバランスを感じる日々です。

交通網の寸断

7月6日の土石流で、呉市と市外を結ぶ全ての道路は寸断されました。もちろんJR呉線も例外ではなく、線路上へ土砂が流れ込んだり駅舎が完全に水没するなどの大きな被害が出ました。

これにより呉市は一時期、文字通り「陸の孤島」と化しました。呉市と市外を行き来するには船しかない!という状況になったのです。例えば7月8日時点では次の地図のようになっていました。東西と北に延びる青い道路が市外と行き来するための主要な道路なのですが、全部通行止めになっています。「主要な」でない、抜け道的な道路もほぼ完全に崩壊していましたので本当に陸の孤島でした。店頭からは食料品が消え、ガソリンの給油にも制限がかかる日々がしばらく続きました。

出典: 呉市ホームページ資料より

ただ、関係者の皆様による迅速かつ献身的な復旧作業で、当初の予想よりも遥かに早く道路・線路ともに復旧してきており、そのことには本当に感謝を述べる以外にありません。

一番復旧が早かったのは道路です。ニュースでも報道されたように「道路脇にある駐車場を臨時の迂回路として使う」という奇策で広島市へのメイン道路である国道31号線が復旧したのがなんと災害から5日目。その他の道路も次々に復旧していきました。

 

これは本当に「奇策」であり「偶然」とも言えますし、また関係各所の皆様の極めて大きな負担の上に成り立つ復旧ですので、一般市民としてはやはり「衣食住を守るための備蓄」をしておかねばならないのではないかと思いました。

静岡のあたりでは大地震に備えて食料は7日分ぐらい備蓄するのが基本になっていると聞きます。今回も広島市とつながった(といってもひどい渋滞は残りましたが)のが5日目という有様ですので、やはり日本に住むなら「7日分の備蓄」は必要なのではないかと思わされます。

 

話を交通に戻します。道路は徐々に復旧してきたのですが、とにかく渋滞するのです。理由は簡単で、全ての道路が一度に復旧したわけではないから。そして、意識もしていなかったことですが、呉線が全線不通だったためです。

いつもは呉線で通勤していた人々が、代行バスや自家用車での通勤に切り替える。代行バスは時間が読めないからでしょうか、自家用車の人も多かったみたいです。そのためものすごい渋滞が発生しました。特に呉市中心部の渋滞がひどく、ほんの数km先まで行くのに2時間かかるなどということもざらでした。

JR呉線の復旧

当初は一番早い区間でも復旧は9月以降にずれ込むと発表されていたと思います。前述の大渋滞はまだ学校の夏休み期間だったのですが、このまま2学期が始まったら通学はどうなるのだろう?と非常に不安を覚えたものでした。

そんな中、当初予定を早めてなんと8月20日、恐らくは電車通学の多い高校の2学期始業に合わせて、「呉駅-広駅」間のみ復旧となりました。これだけでも呉市内の渋滞がかなり緩和されました。

この写真は8月19日の夜に呉駅まで出かけて、翌朝の発車を静かに待っている車輌を撮影したものです。ついでにゴミ拾いもしておきました。この日ほど電車が頼もしく見えた日はありません・・・というと失礼になってしまうのですが、それほど呉線は日常生活において空気みたいな存在になっていたのだと思います。なくなって初めてその大切さに気づいたという体たらくです。

その後も広島市方面を中心に徐々に開通区間が伸びていきました。開通区間が伸びるごとに渋滞が目に見えて減っていったことで、いかに呉線の輸送力が呉市民にとって重要だったかを初めて思い知った次第です。

最後に残った不通区間が「安浦駅-三原駅」です。この区間の回復は年明け以降になると発表されていました。

が・・・

関係の皆様の尽力で、この区間もついに年内・12月15日に運転再開することが発表されました。まさか年内に復旧するとは。

地図上に表示してみると、不通区間がまだまだ長いということが改めて分かります。赤ラインが12/15に復旧する部分です。

青ピン:海田市駅(呉線の西の端)
緑ピン:呉駅と広駅(最初に開通した2駅)
赤ピン:安浦駅と三原駅(三原は呉線の東の端)
青ライン:復旧済み区間
赤ライン:12/15に復旧する区間

おかえり呉線プロジェクト

豪雨災害以降、twitterで情報収集をするようになっていたのですが、そこに飛び込んできたのが「おかえり呉線プロジェクト」という文字です。

ブログはこちら

 

これは呉線好きの方々が有志数名で立ち上げたものだそうで、12月15日に運転を再開した呉線に向かって手を振ろう!それをムービーに仕上げます・・・ということでした。

こういうのを思いついて実行してしまうというのは本当にすごいことだと思います。そのためにJRの駅を訪問して了承を取り付けたり、沿線の企業に協力を依頼したり・・・数名の有志の思いがこうして大きな力になっていく様を見るとそれだけで元気が出てきます。

私も「こういう企画があったらいいな」と思いつつ、とても自分で実行する力はなかったので、この企画に乗っかって応援させて頂きたいと思いました。

 

応援といっても、社長の了承を取って会社(塾)に掲示する程度ですが・・・。

まあしかし、先日来てくれた卒業生が「そういえば呉線復活するんでしょ?でっかい掲示はどこ?」とわざわざ尋ねてくれましたので、どこからか情報が漏れているのかもしれません。ぜひたくさんの人に知ってもらって、手を振ってもらいたいです。読者の皆様も掲示をしたくなられたならば、こちらのチラシ(pdf)をどうぞご利用ください。

また市外の皆様も、この機会に呉線を利用して呉の観光にぜひいらしてください。呉線に乗って海を見ながらのんびり移動するのもなかなかできない経験ですよ。呉市民はシャイなので「呉線のいいところを挙げてください」と聞いてもいい返事がなかなか返ってこないと思いますが・・・私も自分では思いつかないのですが、高校生の頃、広島市方面に在住の友人が初めて呉線に乗ったとき「この眺めはええね」と言っていたのは未だに覚えています。

→→→「おかえり呉線プロジェクト」のご友人目線の記事をぜひご覧ください。「遠方より友来る」

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運行情報など詳しいことは「おかえり呉線プロジェクト」のブログをご参照いただきたいのですが、この記事を書いている時点で決まっていることは「全線復旧まで,あと4週間!」という記事に載っています。要約すると以下のようなことです。(12/1: ダイヤが確定したので書き換えました・ジェット風船禁止についても追記)

●撮影の時間について
以下のダイヤで運行される瀬戸内マリンビューからの撮影です。

三原 14:25
忠海 14:48
竹原 15:06
安芸津 15:19
安浦 15:32
安芸川尻 15:45
広 15:54着・15:57発
呉 16:06着・16:22発

●撮影する場所について
広島方面行の電車,進行方向 向かって左側(海側)を撮っていきます。
安全な場所で!
電車や車,自転車,人の通行の妨げにならない場所で!
ホームでの撮影は行いません。
(安全面での問題のほか,関係ない乗客の方が映り込まない配慮でもあります)
また,許可を得ていない敷地へ入り込んで手を振るのもNG

●ジェット風船は禁止
広島県民の習性で、ついうっかり「マツダスタジアムで7回に飛ばすジェット風船」を
使いたくなるかもしれませんが、これは禁止です。電線に引っかかったりする事故につながります。
(マツダスタジアムであれを実施するために相当の設備や人員配置をしているそうで、
今回のイベントではそれができないのでNGということです)

●動画に使う映像,写真について
外から撮った写真,動画を提供できる人は、
当日 #おかえり呉線 でつぶやく or
個別にメール等で連絡を

●撮った動画のその後について
撮影した動画は手を振ってくださった光景を繋げて(「祝☆九州」のイメージです)年末年始までにYouTubeへアップされるそうです。

 

無事に12月15日を迎えられますように!

 

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