小さな量を表すとき、小数を使うと不便に感じることがありますよね。例えば「0.1L(リットル)」や「0.02m(メートル)」ならともかく、「0.003g(グラム)」ぐらいまで行くと、ゼロの数を書き間違えたりしそうですね。
接頭語をつける
そんなときには、単位の前にもう一つ記号をつけると便利です。これは「接頭語」と呼ばれ、国際的な規約で次のように決まっています。
これらを用いれば、0.1Lは「1dL(デシリットル)」、0.02mは「2cm(センチメートル)」、0.003gは「3mg(ミリグラム)」と表すことができます。
接頭語はどの単位につけてもよいので、例えば0.4mを「4dm(デシメートル)」と表現しても構いません。0.05gは「5cg(センチグラム)」となります。まあ、dmやcgはあまり目にすることはありませんが。dL(デシリットル)も、小学校では習いますが、日頃は見かけることはまれですね。
あまり見かけない単位が使われている局面をちょっと調べてみました。
デシリットル dL
豆類を売るときに使われるようです。私自身は千葉市科学館を見学に行った際に、科学館付近の豆屋さん?で「デシリットル」という表記を見かけて驚きました。
デシメートル dm
そもそも教科書でも習った覚えがありませんが、戦前の教科書には載っていたようで(以下のリンク参照)、「何れの兒童にもスラスラと出来るまでに・・・」「實測によつて確實に理解させ・・・」と。
- 戦前の教科書
- wikipedia「デシメートル」漢字では「粉」と書く!
- wikipedia「電波の周波数による分類」0.1~1mの波長を持つ電波を「デシメートル波」と呼ぶこともあるようですね。UHFという呼び方の方がなじみがあるような気がしますが。
話を戻して
さて、ではd、c、mよりも小さな量はどう表すのでしょう。これより小さくなると、1,000分の1の次は1,000,000分の1(100万分の1)、その次は1,000,000,000分の1(10億分の1)のように、3桁ごとに接頭語が決められています。3桁ごとということは「1,000分の1ごと」ということですので、例えば1μm(マイクロメートル)は1mm(ミリメートル)の1,000分の1の長さ、ということになります。つまり1mm=1,000μmということです。
接頭語をうまく使い分けると、たくさん積み重なるものを考えるときなどに便利です。例えば、髪の毛って1ヶ月に1cmぐらい伸びますよね。では、1秒間にどのくらい伸びているでしょう。こんな風に考えられます。
髪の毛は毎秒4ナノメートルずつ伸びている!!!多いのか少ないのかよく分かりませんが。
参考
出典
この記事はちゅーピー子ども新聞 37号(2011年5月15日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。
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