素数はどこにある

素数はどこにある

少し前の記事「素数ものさしは577円」に掲載した2番目の画像を見て気づかれた方もあるかと思うのですが、素数ってあまり均等に分布していないような気が・・・しません?素数を赤くして99まで並べてみました。小さいかもしれませんが、クリックすると少し大きめの画像にリンクされています。

ところどころ「連続した奇数がどちらも素数」になっているかと思うと、次の素数までの間が少し空いていたり・・・。図中の青い矢印は間隔が6、赤い矢印は間隔が8です。「空いているなあ」と思ったところの間隔はほとんど6ですね。なにかヒミツがあるのでしょうか?数を1行あたり10個ずつ並べてみるとこうなります。

1の位に特徴が!

先ほどの画像をざっと見た感じだと、最初の2, 5あたりを除くと、あとの素数は全て1の位の数が1, 3, 7, 9のどれかになっていますね。これは面白い・・・と一瞬思ったのですが、よく考えたらそんなに面白くないかもしれません。

予備知識ですが、「素数」とは「1と自分自身以外で割り切れない正の整数」のことです。例えば2(1と2でしか割り切れない)、3(1と3でしか割り切れない)、5(1と5でしか割り切れない)などです。4は「1と4の他に2で割り切れてしまう」ので素数ではありません。このようにして判断していきます。

というのも、まず素数は(2を除けば)奇数ですので、1の位は必ず奇数(1, 3, 5, 7, 9)になります。しかも1の位が5の奇数は5で割り切れますので、5より大きい素数の1の位は5にはなりません。

以上のことから、5より大きい素数の1の位が1, 3, 7, 9になるのは当たり前のような気がしますね。

 

こうやって並べてみると?

でもちょっと待ってください。最初に感じた違和感は「素数が妙に連続している部分がある」「ちょっとスカスカな部分もある」ということであって、「1の位がどうのこうの」ということとは違うかもしれません。というわけで、次のように数を並べてみるとどうでしょうか。これは数を1行に6個ずつ並べたものです。

 

明らかに特徴がありますね。右の方に偏っています。6の倍数を青く塗ってみると、なおさら特徴が目立ちますね。どうやら5以上の素数は「6の倍数の前後」にだけ現れているように見えます。

 

証明してみましょう

それほど難しくないので、証明してみましょう。

証明すること:「5以上の素数は、必ず6の倍数+1か6の倍数+5のどちらかである」

次のように考えます。あまり数学の記号を使わずに書いてみます。

  1. 全ての整数は、6で割った余りが0か1か2か3か4か5のどれかに分類される。
  2. 余り0の場合: 6で割り切れるので素数ではない。
  3. 余り2の場合: 6の倍数は偶数なので、6で割って2余るということは偶数だということ。だから素数ではない。
  4. 余り3の場合: 6の倍数は3の倍数でもあるので、6で割って3余るということは3の倍数だということ。だから素数ではない。
  5. 余り4の場合: 6の倍数は偶数なので、6で割って4余るということは偶数だということ(余り2の場合と同じ)。だから素数ではない。
  6. 以上より、5以上の素数は「6で割った余りが1か5になる数」の中から見つかるはずである。

 

数学の記号を使った方が楽かもしれませんね(笑)。たとえば「余り2の場合」を数学の記号を使って書くと次のようになります。中高生ならば記号を使った方が理解しやすいかもしれません。

整数NN = 6k + 2 (k ≧ 1)と表されるとき、N = 2(3k + 1)となるから、N (≧8)は2の倍数となり、素数とは言えない。

 

うん!これでスッキリしましたね。調べてみるとよく知られた事実のようで、特に大発見というわけではないのですが、自分で数を並べて色を塗ったりする工程はなかなか面白かったです。

 

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