特に大切!復習~気象予報士シリーズ

特に大切!復習~気象予報士シリーズ

今回は「復習が大切」ということについて軽く述べておきたいと思います。

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復習とは?

気象予報士試験では、それほど独創的なことは問われません。

とりあえず学科試験について少し述べてみますと(「平成24年度第1回(38)」を参照しました)、本当に覚えておくだけで解けるものも多いです。例えば「氷晶に対する飽和水蒸気圧と、水滴に対する飽和水蒸気圧の大小関係」とか。

あるいは、計算しないと解けないものもあります。気圧に関する条件が与えられているとき、「ある高度より下にある大気の質量は、全体の何%か」とか。

こういうものをまずは解き、答え合わせをし、間違い直しをし、「復習」していくわけです。では「復習」とはどういう行為のことでしょうか?

私が考えた「復習」とは、次のような行為です(長くなるので節を分けます)。

復習1:覚えるだけの知識問題

まずはいわゆる「覚えるだけ」の知識問題について。上記のような「氷晶に対する飽和水蒸気圧と、水滴に対する飽和水蒸気圧の大小関係」は、「水滴に対する方が大きい」と覚えていればマルをもらえます。「氷<水」とか「水がでかい」と呪文のように唱えればすぐ覚えられるでしょう。

しかし、すぐ覚えたことはすぐ忘れるものです。だって「水がでかい」って・・・覚えておけますか?どんなときにこのフレーズを思い出せばいいんでしょうか?思い出すためのきっかけが必要だと思いませんか?

しかし問題文には「飽和水蒸気圧は・・・」などと書かれているわけです。ここから「水がでかい」を思い出すのは至難の業。

だからまず、「現象に対する自分なりのイメージ」を持つことが必要になるわけです。飽和水蒸気圧というのは、「その圧力までなら蒸発できますよ」という、いわば「蒸発の限界」を表す数値です。では水からと氷からと、どちらが蒸発しやすそうでしょうか?何となく水(液体)からの方が、氷(固体)からよりも、蒸発しやすそうな気がしませんか?(気がしない人はちょっと困るのですが、【自分なり】でいいんです。私の場合はこれでスンナリ頭に入りました)

さらに、「付随する別の知識」も一緒に頭に入れるといいです。この問題については、「0℃以下の雲の中で氷晶が成長する過程」という内容が「一般気象学」のp96~に書いてあります。その辺をもう一度読んでみると、「水にたいして飽和している状態は氷にたいしては実に約10%も過飽和の状態なのである」(同・p94~96)などという印象的なフレーズや、雪結晶の形と温度の関係を表す、気象学をかじった人にはおなじみの図(中谷ダイヤグラムというものだと思います;例えばここにあります)が載っているなあ、ということもついでに頭に入れます。

これらの知識を、ノート1ページにまとめるといいと思います。もちろん、本(例えば「一般気象学」)が読解できないとまとめることもできないので、そこで前回の記事のテーマである「勉強会」が役に立つわけです。勉強会でも解決できない場合は、より高度な知識を持った人に助けてもらうしかありませんので、都会にお住まいの方は「気象予報士講座」みたいなものに通われるといいと思います。そうでない場合は、諦めて先に進みましょう。そのうち分かる場合もありますし、分からなくても合格するかもしれませんし。

余談ですが、何となく気象予報士試験って「独学で合格」ということに妙にこだわる人がいくらかいらっしゃるように思うのですが、私個人の意見としては「合格するレベルの学力・技能が身につくのなら独学でも教えてもらってもいいんじゃないの」と思っています。もちろん「独学で合格すること」が目的の場合はご自由になさったらよいと思いますが、「独学」と言っても書物の形で先人の知恵を借りるわけですから、それなら講座の形で先人の知恵を借りるのとどれほど価値が違うのだろうか?と私は思うということです。私が「勉強会」という形を取ったのは、単に「このパートナーとどれだけできるのか試してみたい。何回か落ちても別に構わないし。というか一発合格というのは虫が良すぎるだろう」というような動機だったからに過ぎません。

復習2:計算する類の問題

計算が必要な問題では、例えば「はやさ=きょり÷じかん」みたいな「公式を覚えて当てはめれば解ける」ような問題はさすがに出ないと思った方がいいでしょう。

例えば「平成24年度第1回(38)」の一般知識1問目に入っている問題は、気圧に関する条件が与えられていて、「ある高度より下にある大気の質量は、全体の何%か」ということを問うています。たぶん、計算が要ると思います。

いまちょっと解いてみました。

1回目・・・

グチャグチャですね。でも一応、99.9%という解答が出て、正解しています。この時点で「やっぱり16kmと48km(3倍違う)というキレイな組み合わせには意図があったんだなあ」なんてことを感じることができます。

さて、ここで「解けたから次の問題に行こう」と思う人が結構多いんじゃないかと思いますが、それがいけないんですよ。1回目の計算は往々にして、論理の流れがスッキリしていなくて、1週間後に同じ問題を見たとしても解けないことが多いんです。また、小学校や中学校の「ドリル」みたいな類題が載っている問題集はありませんから、自分で「その場で考えて解く」という能力が必要になります。

そこで、2回目に着手します。

これでだいぶ論旨がはっきりしてきました。1回目は密度をzの関数として求めていますが、2回目は圧力をzの関数にしていますね。でも状態方程式(解答の冒頭に書いてある式)から、圧力と密度は比例していることが分かっているので(←これは気象学の最初の最初あたりで学ぶ内容です)、自分の中ではあまり違和感がありません。

これで「次の問題に行こう」と思いませんでしたか?ダメですよ。この内容を忘れないようにノートに残しておかないと。ノートを意識してまとめたのが次の紙です。

このノートの特徴は(先ほどの下書きにも現れていましたが)、「なぜそんな式を立てるのか」ということをできるだけ目立たせている、という点です。「条件1」「条件2」「条件3」のことです。「問題文にこういう条件があるから、こういう式を立てる」ということを書き残すんですね。

また、学科試験は「60分で15問」ですから「1問あたり4分」で解かないといけません。この解答だとどうも4分では難しそうなので、途中まではショートカットして(つまり条件を見た瞬間に結論が出るようにして)おかないといけないだろうな、ということも推測できるので、そこも書き残しておきます。ただし、ショートカットというのは「途中が理解できている上で、最初と最後をつなぐ」ことなので、せっかく書いた途中式を消すことはしません

このように、まあ一言でいうと「ポイントをまとめる」ということになるのですが、ポイントとはすなわち「解法」ではなくて「なぜその解法を選択するのか」という「自分にとっての必然性」のことです。それを書き残すんです。1ページに収まるのが望ましいですね。

以上で復習おわり?とんでもない!

長々と述べてきましたが、以上で復習は終わり・・・いえいえとんでもない!上記は実は「復習の準備」です。

人間は忘れる生き物ですから、仮に「今、理解している」としても、1週間後、1ヶ月後・・・そして試験当日・・・にこの内容が思い出せるとは限りません。というよりも、ほぼ絶望でしょう。

だから、このノートを見直して、自分の頭に同じ刺激を与える必要があります。上で「1ページに収める」「書き残す」ということにやたらとこだわったのは、そういう理由です。書かなければ、忘れてしまったことは二度と思い出せません。仮に同じ答えを編み出したとしても、それは「新しい記憶」であって、「かつて理解した内容」と同一かどうかは分かりません。「かつて理解した内容」と同等のものを編み出すのに何回も同じ時間をかけるのは、限られた時間内で合格したい人にとってはマイナスだと思います。(趣味で何度も「解けた喜び」を感じたい人には、もちろんプラスです。私は合格したかったので、合格が早まりそうな手法を採用した次第です。)

見直すのはどんなときかというと、理想的には「今から勉強するぞ」というときに机に向かってノートを開ければ一番いいのですが、社会人にしろ学生にしろ、わりと忙しいですよね。だから私の場合はたとえば出勤前にネクタイを締めながら、ノートを開いて眺めていました。もちろん、ただ漫然とノートからの反射光を網膜上に結像していたわけではなくて、まず問題を読み、条件に着目し、その条件ならばどんな式を立てるか・・・ということを考えながら視線を動かしていくわけです。そうすれば、机に向かって鉛筆を持って・・・という体験に近いことが、頭の中では再現できます。

だから、「見直す」と簡単に言っても、1ページあたり3分程度はかかりますよ。でもまあ、せいぜい長くても3分です。うそ~!と思われた方、3分って意外と長いんですよ。だまされたと思ってタイマーで3分セットして、何もせずに待ってみてください。めちゃくちゃ長いですから。

これを何度か繰り返せば、記憶が徐々に強化されていって、試験会場で「見たことのない問題」に出くわしても対処できるようになります。

実際、私はこの8年ほど、気象予報士試験の問題を解いたことがないわけですが、上記の写真のように(上手な解法かどうかはさておき)解けるわけです。それは自分の中で「状態方程式」「静水圧平衡」は極めて日常的な知識になっている(気象予報士なのでこれぐらいは・・・)から、あとはそれを「なぜ、どのように使うか」だけなんですよね。たぶん、気象予報士試験を受けたときに勉強した思考回路がよみがえったのだろうと思います。

まとめ

えらく長々と書いてしまいましたが、私が採用した方法は、次のようなものです。

後から見直す前提でノートに以下のことをまとめる。

  • 知識問題は「その現象のイメージ」and/or「付随した別の知識」
  • 計算問題は「解法」だけでなく「その解法を用いる自分なりの必然性」

そして、そのノートを何度か見直す。単に目を開いて眺めるのではなくて、問題文を読み、どの条件に対してどのような式を立てるのかを考えながら視線を動かす。

時間がかかりすぎる!というご意見もあるかもしれません。しかし、私の経験上、「一度覚えたことを忘れ、再度覚え直す」方がトータルでは時間がかかります。むしろ「一度覚えたことは忘れない工夫をしておく」ことにより、場合によっては新しい気づきを得ることができて、トータルで知識が深まっていきます。

人生の長さは有限ですから、一度知ったことを足がかりとして、より高度な知識を知る方が楽しいと私は思いますし、知識が多ければいろいろなことを考えることもできて、楽しいんじゃないかなと思います。

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気象予報士シリーズへのリンク

【1】勉強を始めたきっかけ|【2】勉強の進め方|【3】特に大切!復習

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