日食のお話

日食のお話

皆さん、覚えていらっしゃいますよね?今年(2009年)の7月22日のお昼前、太陽がすっかり隠れてしまう「皆既日食」が起こったことを・・・!

え、流行遅れの記事ですって?いえいえ、近いうちにまた日食は起こりますから、忘れないようにぜひお読みください。ではどうぞ。

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日食のしくみ

日食は、月が太陽と地球の間に入り込むことによって起こります。月は地球の周りを回っていますから、たまに(年に2回程度)図のように月が太陽のまん前に出てきて、太陽をすっかり隠してしまうのです。

日食が起こっているときの状況を図で見てみましょう。

図のA地点にいる人は、太陽のどの部分を見ようとしても月に隠されてしまって、太陽を見ることができないことが分かります(これを皆既日食といいます)。

図のB地点にいる人は、太陽の一部分だけを見ることができると分かります(これを部分日食といいます)。

今回は、日本では沖縄地方の一部で皆既日食となりました。これは日本の陸地で見える皆既日食としては46年ぶりのことだそうです。その他の地域では部分日食を見ることができました。

ホントはこんなに近くない

ところで「空の向こうのお話」「地球と月のカンケイ」で、月が地球から38万kmも離れたところにポツンと浮かんでいる様子を紹介しましたね。

では、太陽はどうなんでしょう。実は、太陽は地球から1億5000万kmも離れたところにあります。月までの距離の約400倍も離れています。ですから、上の図は距離を実際よりもずっと短く表していることが分かりますね。

試してみましょう

ちょっとたとえ話をしてみましょう。もし地球を卓球の球(ピンポン球)の大きさに縮めたとすると、月は直径1cmの球(パチンコ玉)になります。

地球と月の距離は1.2m(両手を軽く広げたぐらい)となり、地球と太陽の距離は470mになります。

470m向こうでライトをつけて、その光をパチンコ玉にあてて、その影を1.2m先のピンポン球に落とすことを想像してみてください。ちょっとパチンコ玉の位置がずれただけで、影がピンポン球からずれてしまうでしょう!

こんな気の遠くなるような絶妙なバランスが成り立って、日食が起こっているのです。

ちなみに、地球上にぽつんと落ちた月の影は、実際に人工衛星から撮影されています。例えばこちらでは影が動いた様子を動画で見ることができます。カラー写真はこちらなどをどうぞ。

で、見てみられましたか?

一部の地域では天気が悪かったようですが、日本のあちこちで日食を見ることができたようですね。

↑リスたちも観察したようです(笑)。写真も撮影してますので、次の記事でご紹介しますね。

これから日本で見られる日食

残念ながら今回、うまく日食を見ることができなかった人も、まだまだあきらめることはありません!国立天文台の「日食各地予報」によると、日食自体は1年に2~3回のペースで起こります。ただ、日本で見ることができるものは限られているようで、こちらのサイトなどが参考になるかと思います。

ちなみに2012年のは「金環食」といって、太陽より月の見かけの大きさが小さくなるため、月に隠された太陽の形が「輪」のように見える日食でした。今回の「皆既日食」とはまた違った面白さがありますね。

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参考

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ちゅーピー子ども新聞 2009年7月号(7月1日発行)10面に掲載した記事を加筆修正したものです。

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