気象予報士、人気の資格ですね!
AKB48の武藤十夢さん、お笑いの矢部太郎さん、落語家の春風亭昇吉さん、ゴーオンブルーの片岡信和さんなど、エッと驚くような憧れの芸能人も持っている資格です。
最近では2021年の朝ドラ「おかえりモネ」の放映以降、受験者数が増えています。
そんなわけで、
「自分も気象予報士にチャレンジしたい」
「気象予報士試験の準備ってどうすればいいの?」
「独学で気象予報士って受かるんだろうか」
と迷っている方も多いと思うのですが・・・。
私は社会人になって気象の知識ゼロの状態から始めて、1年半の独学で気象予報士試験に合格しました。途中半年ぐらいは忙しくて勉強が止まっていましたが、それもまた社会人あるあるかと(笑)。その過程を振り返ってみて、これから気象予報士を目指す方に役立つ情報をまとめました。
実体験に基づいて勉強計画の立て方、おすすめ教材、勉強のポイントなどをまとめているので、ぜひ最後までお読みください。
難関の資格だからこそ合格したときの喜びは大きいです。ぜひ頑張っていきましょう!

気象予報士試験の合格率は?
難関というイメージのある気象予報士試験ですが、合格率はどのくらいかご存知ですか?
・・・はい、なんと「5%前後」です。
結構低いですよね。25年分(平成9年第8回試験~令和4年第58回試験)の合格率をグラフにしてみましたが、ご覧の通りです。25年間、合格率が5%前後で推移していることが分かりますね。

確かに難関だなぁと分かりますが、合格した私は体感として「ちゃんと準備をすればそこまで難関でもない」とも思います。以下では「準備」について大枠を述べていきますので、皆さんもしっかり読んでくださいね。
気象予報士の独学は前提条件が厳しい
まず勘違いされがちなのですが、気象予報士は「バリバリ理系の資格」です。勉強中には微分積分とかが普通に出てきます。テレビでにこやかにお天気の話をしているキャスターさんの笑顔を見て、何となくソフトなイメージを抱いているといきなり挫折しかねません。
でも大丈夫!文系出身の人でも気象予報士になっている人はたくさんいます。理系の知識全てが必要というわけではないので、最初のステップをうまく踏み出すことができれば合格に近づくことができます。
文系の人はどうするか?
文系の人は、まず最初に「理系の人の土俵に立つ」ためのステップが必要です。
「気象予報士かんたん合格10の法則」(中島俊夫著)をオススメします。
この著者自身が文系出身で気象予報士になった人で、ご自身が勉強中に困ったところを「これでもか」というぐらい掘り下げて書いてくださっています。
なんと一番最初の節は「数式の意味を考えよう!」です。
僕が気象予報士を目指したときは、天気図記号や天気図の見かたを覚えたりするだけで、簡単になれるものだと思っていました。
(中略)
その中でも特に僕の頭を悩ませていたのが数式でした。僕は文系出身ですから、本当にこの数式だけは苦手でした。そこで本格的な気象の勉強に入る前に、まずは数式について少しお話ししていきます。
そして、本当に「こんなところまで戻るの?」というぐらい最初まで戻って説明してくれています。文系の人はこの本からスタートするのが本当にオススメです。
独学のメリット・デメリット
ところでそもそも、皆さんはなぜ「独学で」気象予報士を目指すのでしょうか?
あたりがメリットとして思い浮かびます。
逆に今思うと、独学だと
などというデメリットがあります。
このデメリットのいくつかは後に述べる私の経験談で解決できるかもしれませんが、それにしても完璧ではないので、ここに挙げたデメリットが不安な方はユーキャンなどの通信講座を利用された方がいいかもしれません。一般的には人に教えてもらう方が効率的に勉強が進むことが多いですから。
独学おすすめのテキスト
独学のメリット・デメリットを把握した上で、次にすべきは教材の選定です。
気象予報士の勉強においては「一般気象学」(小倉義光著)が一種のゴールと言われることが多いですが、この本はかなり難しいんです。ですからそこにたどり着く前のステップを整えることが大切です。そういう思いから3冊を選びましたので、参考にしてみてください。
「気象予報士かんたん合格10の法則」(中島俊夫著)
上で「文系向け」と紹介した「気象予報士かんたん合格10の法則」を再度載せておきますね。文系の人は本当にこの本からスタートするのがいいと思います。

「図解・気象学入門」(古川武彦・大木勇人著)
文系の人の2冊目、理系の人の1冊目は「図解・気象学入門」をオススメします。これは数式を極力使わず、たとえ話を駆使しながら気象学のエッセンスを教えてくれる本です。最初に「気象学ってこういう勉強をするんだ」という概略をつかむことができますよ。

「身につく気象の原理」(横川淳著・三浦郁夫監修)
ようやく少し勉強的な本で、数式も登場します。本書「身につく気象の原理」の特徴は、数式の説明がやたらと分かりやすいことです。まるで中学校の理科の授業を受けているかのような気分で、気づけば気象学を結構いいところまで勉強できます。
あっ!これは私の著書です。ダイレクトマーケティングすみません!でもちょうどこの位置づけになることを願って書いた本なので、多くの人に届いてほしいです。

本書を出版した際の紹介記事はこちらです(笑)。
「一般気象学」(小倉義光著)
最後はバイブル「一般気象学」ですね。やはりこの本をできるだけ最後まで読んでみないといけないと思います。理系出身で上の2~3冊を読み終えた人なら大丈夫です。自信を持ってください。文系出身の方は数式に対する苦手度合いがいろいろでしょうから、困ったときには「気象予報士かんたん合格10の法則」か「身につく気象の原理」に戻って、少しずつ読み進めるといいと思います。
ちなみに本書の全てが理解できなくても気象予報士試験には合格できますよ。厳しい登山にチャレンジするような気持ちで頑張りましょう!

過去問集・問題集
もちろん最後には過去問集・問題集に取り組む必要があります。気象予報士試験は1次(学科)と2次(実技)になっているので、まずは1次に向けて、単元別になっている問題集に取り組むといいと思います。2次はその後です。
勉強計画の立て方

ここまでで最低限オススメの書籍を挙げてきましたので、あとは「計画」です。
「計画」とはそもそもなんだろう?と考えてみると、要するに「いつまでに何をやるのか」ということですね。
気象予報士試験については、いきなりガッチリした計画を立てるとたいてい破綻しますので、まずは一般書(上に挙げた最初の3冊的なもの)を月に1~2冊のペースでゆっくり読んでみてください。計画を立てるのはその後でいいと思います。
実際に計画を立てるとすると、「一般気象学」の何ページまでを何月何日までに読むか、そのあと問題演習はどうなのか、という予定表を立てることになります。これはスプレッドシートなどを使って管理するといいですね。
計画とは割り算
意外と知られていない技能ですが、計画を立てるためには「割り算」を使うんですよ。
「一般気象学」は約300ページありますから、土日に15ページずつ(多分2~3時間)とすれば・・・300÷30=10週間で読めます。
単元別問題集は500ページぐらいの規模ですから、土日に10ページずつ解くと・・・500÷20=25週間かかります。
こんな風に計画って決まっていくのです。ちなみにこのペースだと合計35週間で学科試験への準備が完了することになりますが、ちょっと長い気がしますね。できればこれを半年、つまり26週間ぐらいに縮めたいとしましょう。
そうすると、平日も少し使って
- 一般気象学 300ページ÷週40ページ=7.5週間
- 問題集 500ページ÷週25ページ=20週間
これで27.5週になりましたので、あとちょっと頑張ればいいかな?という風に先が読めてきますね。
学科合格の資格は1年間有効
計画を立てる際に非常に重要になるのが、1次(学科)と2次(実技)は、「片方だけ合格して、その資格を1年間保有することができる」という点です。
つまり「最初の試験では学科に集中して合格し、半年後か1年後の試験で実技に合格する」というような計画を立てることが可能です。準備のボリュームや難易度を考えると、一発合格を目指すのではなく、2回に分けて合格を目指すのが現実的だと思いますよ。
したがって、まず半年後の試験に向かって、上のように割り算を駆使して立てた計画で学科の準備をする。そして合格したらまた半年後(または1年後)の試験に向かって、今度は実技の計画を立てて準備をする。という流れがいいと思います!
ちなみに私もそうしました(そうなりました、と言うべきかもしれませんが)。以下の記事にあるように、1回目の試験は不合格…というか学科だけ合格。その1年後の試験で実技も合格したという次第です。
「何をやるか」の解像度をもう少し高める
ここまでで「何月何日までにどの本の何ページまでをやるか」は決まるのですが、できればここで「やる」とは何なのかをもう少し意識するといいですね。
言い換えると「理解する」ということなんでしょうけど、これは単に「やる」を言い換えているだけなので、「じゃあ理解するってどういうこと?」というのが掴めてないとあまり意味がありません。
これは一言では説明が難しいですね。たくさんの具体例によって体得できる概念のような気がしますが、ちょっとだけ書いてみると・・・
まあ、やっぱり難しいですね。少しでいいから自分の手足のようにその知識が使える感覚があるか、ということかもしれません。そこを独学(というか書籍のみ)で進めるのは結構大変ではありますね。
ここまでに述べたことを含め、私の勉強記録は以下の記事で読めますのでどうぞ!
また、特に問題演習の復習に関しては、学習塾発信のブログで「多くの問題に適用できる思考回路を反復する」という戦略が紹介されています。

私が独学で合格できた理由: 最後のピース
ここまで述べてきたような方法を私自身が使って気象予報士試験に合格したのですが、あと一つ、いや二つ、大事な要素があったと思います。
一つは「勉強仲間」的な人の存在です。
まず、上で紹介した「勉強の進め方」の記事にもあるのですが、私が気象予報士の勉強をしたときはパートナーがいました。このパートナーと日付を決めて勉強会を行うので、サボるわけにはいきませんでした(笑)。
この勉強会では「一般気象学」を読んで理解したことを説明する必要がありました。気象については2人とも素人でしたが、物理に関する素養は私の方がだいぶ上だった(多分…)こともあり、しっかり準備しなきゃ!と気合いが入っていたように思います。おかげで質の高い勉強が自然とできていたかもしれません。
二つ目は「見守り団」でしょうか。気象予報士を受けることは実家の親や妻(当時はまだ結婚してませんでしたが)にも公言していたので、「学科だけ受かった」→「次はいつ受けるの」みたいな感じでソフトなプレッシャーがありました。1回目の試験のあと、仕事が繁忙期に入って勉強が中断したのですが、そこでやめてしまわず勉強を再開できたのは「見守り団」のおかげだと思っています。
今はSNSなどオンラインの環境も発達しているので、身近なところに勉強仲間や見守り団がいなくても、SNSで勉強垢を立ち上げるなどすれば類似の効果が得られるんじゃないでしょうか。よく「パブリック・コミットメント」と呼ばれる効果ですね。ただし最近は「目標を公言しない方がいい」という説もあり(こちらの記事など参考にしてください)、言うかどうか落ち着いて考えた方がいいかもしれませんね。
ですから、この記事のタイトルには「独学」と入れていますが、実際には勉強仲間や見守り団の支えがあり、書籍を書いてくださった著者の方々のお力があり、そこへつながる物理学や気象学を作ってくれた学者の人々のおかげもありますね。「独」と称するべきではなかったかもしれません(笑)。
気象予報士の独学まとめ
私の実体験に基づき、気象予報士試験に合格するための勉強計画の立て方、おすすめの本、「やる」ってどういうこと?などを説明してきました。独学と言いながらも実は独りじゃない!ということも意識していただけるといいなと思います。
漠然と「難しいらしい」とだけ思っていた気象予報士試験が、「どのくらい難しいのか」「どうやったら突破できそうか」という具体的な存在として感じていただけたなら嬉しいです。
「誰でも合格します」と言えるほど甘くはない資格ですが、昔に比べると易しい本も充実してきましたので、徐々にステップアップしながら最後は「割り算で計画」。1年間の合格資格保有期間をフルに活かす。そして何より「勉強仲間」を作る。こういったことで、5%の合格率を50%に引き上げられます。
えっ?これだけ頑張っても50%なのかって?
いえいえ、「1回目は学科だけ合格する」「2回目で実技も合格する」という意味ですよ。計画的に2回受験して、晴れて気象予報士の資格を手にしてください!応援しています!