大気圧の力は結構大きい!計算してみよう

大気圧の力は結構大きい!計算してみよう

近年、気象状況がなんか変ですよね。この記事をリライトしている2018年12月上旬においては「12月だというのに夏日に!」というニュースが飛び交っていましたが、もともとこの記事を書いた2011年2月においては、ふだんは温暖な広島県呉市でも珍しく積雪するなど、非常に寒かったりもしました。当地ではこの写真のようになるのは珍しいです。

(呉市じゃないのですが、すぐ近くの地域の模様です)

 

だいたいそういう時期には、テレビの天気予報で「冬型の気圧配置が強まり」という言葉が聞かれます。上の写真を撮った2011年2月12日の天気図は下のイラストのような感じになっていました。こういう風に西日本が高気圧、東日本が低気圧になっている状況を、「冬型の気圧配置」といいますね。確か中学の理科でも勉強するのです。ちなみに過去の天気図一覧は、気象庁のここで見ることができます。

f:id:inyoko:20110220164345p:image:w350

 

「気圧配置」以前に、「気圧」ってナンでしょう。今回からしばらく、「気圧」についてお話ししてみます。

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大気圧の大きさ

気圧は「大気圧」とも呼ばれます。大気の圧力、すなわち「大気(空気)が押してくる力」ということですね。

「ああ、向かい風が吹いているとき、確かに押される感じがするなあ」と思われた方、今回はその話ではありません。風がなくても、私たちは空気に押されているのです。それもかなり強い力で・・・。

では、大気圧はどのくらいの力なのでしょう。これは日によっても場所によっても違いますが、目安としては海面で1013ヘクトパスカル(=1気圧)という大きさです。

ここで「ヘクト」は「100」という意味で、「パスカル」は「1平方メートルあたり1N(ニュートン)の力」という意味です。したがって、1013ヘクトパスカルとは「1平方メートルあたり101300N の力」ということになります。

キログラムに直すと

これだとちょっとイメージが湧きませんかね?ふだん使う「キログラム*1」に直してみましょう。1キログラムは約10Nに相当しますので、次のようになります。

これだけの力で、私たちの体も、建物も、何もかもが押されているのです。例えば、手のひらの面積を測ってみてください。30平方センチメートルぐらいでしょうか。だとすると、手のひらは30キログラムの力で押されていることになります。

えっ、重い!と思った方、ご安心ください。もちろん、手の甲も同じ大きさの力で押されていますから、手が地面に押しつけられるなどということはないんですよね。

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気圧シリーズへのリンク

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そもそも気圧の仕組みが気になる方はコチラ

気圧のしくみ

参考

    • 一般気象学 第2版(小倉義光 著)

出典

この記事はちゅーピー子ども新聞 2010年12月号(12月1日発行)10面に掲載した記事を加筆修正したものです。

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*1:今回のように「力」の大きさを表す場合は、正しくは「キログラム重」といいます。

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