ひょんなことから「153」という数字に興味を持ちまして、ちょっと調べてみました。意外と重要?な数字みたいですよ。
153をウィキペディアで見てみると
ウィキペディアって結構面白くって、「1」とか「2」とかいう項目があるんですよ。しかも中身がギッシリ・・・一体誰が書いているのでしょう。凡人には理解しづらい熱意を感じます。
この調子で153を見てみますと・・・
いろいろ書いてありますが、その中にこんなのがあります。
13+53+33=153である。
さらに、3で割りきれる任意の数について、
1. 10進数で各位の数字に分割する
2. それぞれの数を3乗して足し合わせる
という操作を繰り返すと、最終的に153になる。
これはどういうことでしょう。
とりあえず1行目の「13+53+33=153である」はすぐ調べられます。13=1、53=125、33=27なので、1+125+27は確かに153になります。
その続きは・・・調べてみましたよ!
各位の数字を3乗して足しあわせる
ちょっとまず「各位の数字を3乗して足しあわせる」という操作に名前をつけましょう。仮に「分割立方」とでも呼びましょうか(立方とは3乗のことです)。
試しに「108」という数(煩悩の数ですね)を分割立方してみますと、
108→13+03+83=1+0+512=513
となります。出てきた513をまた分割立方しますと、
513→53+13+33=125+1+27=153
となります。そしてこの153は分割立方しても153になるのは先ほど述べたとおりです。この状況を
108→513→153■
と表すことにしましょう。「153■」は「これ以上分割立方しても153の繰り返しになる」という行き止まりの印です。
近隣の数をいくつか試してみると、次のようになります(ぜひ皆さんも電卓片手に検算をお願いします)。
109→730→370■
110→2→8→512→134→92→737→713→371■
111→3→27→351→153■
112→10→1→1■
113→29→737→713→371■
114→66→432→99→1458→702→351→153■
115→127→352→160→217→352→…(352→160→217の繰り返し)
116→218→521→134→92→737→713→371■
117→345→216→225→141→66→432→99→1458→702→351→153■
118→514→190→730→370■
119→731→371■
120→9→729→1080→513→153■
行き止まりになる数は153の他にも370や371や1があり、また「352→160→217」の繰り返しがあることも分かります。他の数も調べていくと他にもいろいろな行き止まりや繰り返しが出てきました。
欲を出さずに、ここでは「153■」に着目しましょう。すると、最初の数が108,111,114,117,120,…と3の倍数のときに必ず「153■」になっていますし、最初の数が3の倍数でないときは「153■」になっていません。ですから、wikipediaに書いてあるよりも少し厳しく、次のことが成り立っていそうな感触です。wikipediaに書いてあるのは1.だけですね。
- 3の倍数を分割立方していくと必ず最後には153になる。
- 3の倍数以外を分割立方しても、最後は153にならない。
証明してみましょう
あまりエレガントではないのですが、時間も限られているのでPCの力を部分的に借りて証明をしてみました。ぜひここをお読みの皆さんは、検算をしていただくとかもっとエレガントな解法を思いつくなどしてください。思いつかれた方はぜひ教えてください。
証明の手順は以下の通りです。なお、以下では「ある数Aを分割立方して得られる数」のことを「Aの分割立方数」と呼ぶことにします。
(1)1~9999の数の分割立方を繰り返し、「3の倍数を分割立方していくと最終的に153に落ち着く」「3の倍数以外を分割立方した場合は最終的には153以外に落ち着く」という2つを確認しました(エクセルを用いました)。
~~しかしこの調子で10000~99999を調べる・・・などということを始めると、作業に限りがなくなってしまうのでダメです。ですから10000以上の数については違うアプローチを考えます。具体的には次の(2)と(3)の組み合わせです。
(2)3の倍数(10000以上でもOK)の分割立方数は3の倍数になり、3の倍数でない数の分割立方数は3の倍数にならない。これは論理的に示すことができます。
(3)10000以上の数の分割立方を繰り返すと、いずれ9999以下になる。これも論理的に示すことができます。
細かいことはこちらのpdfを参照していただくとしまして、以上のことを組み合わせると「すべての3の倍数は、分割立方を繰り返していくと最終的に153に落ち着く」「すべての『3の倍数でない数』は、分割立方を繰り返しても153にならない」ということが分かります。図解すると次のようなことです。分割立方は図中の4つの四角のどこかからスタートしますが、いずれにしても最初が3の倍数ならば最後は153に、最初が3の倍数でないならば最後は153以外に落ち着くというわけです。
ちなみに(3)の証明の途中で気づきますが、実際には9999までPCで調べなくてもよくて、もっと小さい数まででOKだと思います。4桁の数を分割立方すると、最大でも93×4=2916にしかならないので、PCで調べるのは2916まででOKということになります。
何か意味があるのか?
wikipediaに書かれていることに証明がついていなくて、インターネット上を検索してもどうも証明らしきものが見つからなかったので考えてみたのですが、果たしてこの結果に何か意味があるのでしょうか?「数学にはいくらでも定理はあるが、無価値な定理がたくさんある」というようなことを昔なにかの本で読んだことがある気がしますが、これもその一つなのかもしれません。まあ強いて言えば、同じ疑問を持った人が「153 3の倍数 証明」あたりで調べたときにヒットすれば、その人の時間を節約できるぐらいでしょうか・・・(楽しみを奪ってしまうかもしれませんが)。
と思っていま「153 3の倍数 証明」で検索してみると、オオ!証明の骨子がものすごくシンプルに書いてあるヤフー知恵袋が見つかりました。まあこれは本当に骨子だけなので、実際にやりましたよという報告のために一応この記事は残しておこうと思います。
その他には、聖書と何か関係があるらしいという話もあるみたいですね。「ヨハネによる福音書」の21章には、「イエスが弟子に命じて船の横に網を下ろさせると、重くて引き上げられないくらいの魚が捕れた。数えてみると153匹だった」という趣旨の記述があるそうです(参照:日本聖書協会)。
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