11月11日はレピュニットの日

11月11日はレピュニットの日

(初公開は2014年11月11日なのですが、今日は令和1年11月11日じゃないか!と思って追記してupします)

11月11日は1が4つも続いているので、「ポッキーの日」などと定める動きもあったりするようですし、まあそんなのが許されるなら「ワンワンワンワン」で「犬の日」でもいいんじゃないかと思ったりもするのですが、それは11月1日なんだそうです。

wikipediaで11月11日を調べてみると、たくさんの記念日が載っています。

  • 豚まんの日(11が豚の鼻に見えることから)
  • いただきますの日(1111が並んだ箸に見えることから)
  • 麺の日(1111が麺の細長いイメージにつながることから)
  • ポッキー&プリッツの日(1111が4本並んだ同菓子に見えることから)
  • 美しいまつ毛の日(1111がまつ毛のようであることから)
  • チンアナゴの日(1が砂から体を出しているチンアナゴの姿に見えることから)

などなど・・・。他にもたくさんあります。多くの記念日が「1111」という「形」に着目しているのが特徴です。この中だとやっぱりポッキーが優勢かなあという印象ですが、皆さんいかがでしょう。

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1111という数値に着目すると

それに対し、「サッカーの日」や「バイナリデイ」なんていうのは、「1111」の数値にこだわって制定された記念日のようです。

  • サッカーの日(サッカーが11対11で行うスポーツであることから)
  • バイナリデイ(1111は2進数に置き換えられるため)

これだけいろいろあるのなら、もっと別の角度から「1111」を掘り下げて「○○の日」を作っちゃってもよさそうですね。考えてみましょう。

1111という数の特徴

1111という数を見て、どのようなことを感じますか?これは人それぞれだと思うのですが、私が真っ先に思ったのは「1が続いている」ということでした。1, 11, 111, 1111, 11111, … のように続いていく1の列をイメージすると面白いですね。

しかも1111は、「11が2つ並んでいる」ように見えます。実際、11で割り切れまして、

  • 1111 = 11×101

のようになります。なんと式に1が多いことよ。

 

1が並んだ数だからといって必ず11で割り切れるわけでもなく、

  • 111 = 3×37
  • 1111 = 11×101
  • 11111 = 41×271
  • 111111 = 3×7×11×13×37

のようになっています。それぞれの数を素数の積で表しています(このことを「素因数分解」と言いますね)。

1111111111111111111とかを調べてみると?

調子に乗ってもっと大きな数を調べてみました。このぐらい大きな数になってくると、電卓で気楽に・・・というわけにはいきませんでしたので、確かMathematicaというソフトを使って計算したんだと思います。

  • 111 = 3×37
  • 1111 = 11×101
  • 11111 = 41×271
  • 111111 = 3×7×11×13×37
  • 1111111 = 239×4649
  • 11111111 = 11×73×101×137
  • 111111111 = 32×37×333667
  • 1111111111 = 11×41×271×9091
  • 11111111111 = 21649×513239
  • 111111111111 = 3×7×11×13×37×101×9901
  • 1111111111111 = 53×79×265371653
  • 11111111111111 = 11×239×4649×909091
  • 111111111111111 = 3×31×37×41×271×2906161
  • 1111111111111111 = 11×17×73×101×137×5882353
  • 11111111111111111 = 2071723×5363222357
  • 111111111111111111 = 32×7×11×13×19×37×52579×333667
  • 1111111111111111111 = 1111111111111111111
  • 11111111111111111111 = 11×41×101×271×3541×9091×27961

3桁から20桁までです。さすがに大きな数は、分解した素数も大きいですね・・・と思ってよく見てみると、ん??

1111111111111111111 = 1111111111111111111

なんでしょうかこれは?ソフトのバグでしょうか?とか思いながら、もう少し大きな数を入れてみると・・・

  • 111111111111111111111 = 3×37×43×239×1933×4649×10838689
  • 1111111111111111111111 = 112×23×4093×8779×21649×513239
  • 11111111111111111111111 = 11111111111111111111111

おや???またバグでしょうか?

11111111111111111111111 = 11111111111111111111111

いえいえ、どうもそうではないようなんですね。1111111111111111111(1が19個並んだ数)や11111111111111111111111(1が23個並んだ数)は素数である、というわけです。だから他の素数の積に分解できなかったのでしょう。(こういうのはソフトウェアを信頼するしかないので、若干歯切れが悪くなってしまいますね)

111….1はレピュニット(repunit)

1を並べてできた数をレピュニット(repunit; repeated unitの略←unitとは”1″という意味です)と呼ぶのだそうです。詳しいことはwikipediaなどに書いてあります・・・が、いつも思うのですがwikipediaって微妙に難しいですよね・・・。せめてこの記事がwikipediaより多少分かりやすくなっていればいいのですが。

これ以上の桁の素因数分解を調べていくのはしんどいので・・・と言いつつ、いくつかの桁数のものを調べましたので、どうぞ。

  • 29桁 3191×16763×43037×62003×77843839397
  • 31桁 2791×6943319×57336415063790604359
  • 37桁 2028119×247629013×2212394296770203368013
  • 41桁 83×1231×538987×201763709900322803748657942361
  • 43桁 173×1527791×1963506722254397×2140992015395526641
  • 47桁 35121409×316362908763458525001406154038726382279
  • 53桁 107×1659431×1325815267337711173×47198858799491425660200071
  • 59桁 2559647034361×4340876285657460212144534289928559826755746751
  • 61桁 733×4637×329401×974293×1360682471×106007173861643×7061709990156159479
  • 67桁 493121×79863595778924342083×28213380943176667001263153660999177245677
  • 71桁 241573142393627673576957439049×45994811347886846310221728895223034301839

なぜこんな飛び飛びのものを調べているかというと、途中で気づいたのですが、

repunitが素数である可能性があるのは、「repunitの桁数が素数」の場合に限られる

のです(証明は省略しますが)。ですから素数の桁数をもつrepunitだけ調べました。でも71桁までの間には素数はありませんでした。

wikipediaの説明によりますと、23桁の次はなんと317桁、その次は1031桁のrepunitが素数なんだそうです。ちょっと気が遠くなりますね。317桁のrepunitって、普通に書くと

11111111111111111111

11111111111111111111

11111111111111111111

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11111111111111111111

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11111111111111111111

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11111111111111111111

11111111111111111111

11111111111111111111

11111111111111111111

11111111111111111111

11111111111111111111

11111111111111111

ですよ?

ひとしきり遊びました

まあそんなことを考えながら、ポッキーを購入しまして、ひとしきり並べて楽しみました。

こんな張り紙を作ってみたりですね・・・

 

これは11×101。

 

これは41×271。令和1年11月11日ですね。

 

これなんかは2071723×5363222357です。

 

そして一箱全部並べたこちらは・・・

 

↑これはいま手持ちのソフトではどうにもできなかったので、wolfram alphaに「factorization 1111111111111111111111111111111111」と入力してみたところ、「11×103×4013×2071723×5363222357×21993833369」なんだそうです。

まあこれだけ楽しめる日ですから、11月11日は「レピュニットの日」としてはどうでしょうか?誰に提案すればいいのか分かりませんが・・・。

素数年月日はあるか?

最近少し「素数年月日」にはまっているので、ちょっと調べてみました。西暦1年から9999年までの間の11月11日で、年月日が素数になるのは・・・なんと1439回ありました。結構多いですね。1439/9999=14%もあります。下4桁が1111だと素数になりやすいのでしょうか?

その中でも1の並びが多かったのは

61111111(6111年11月11日)

71111111(7111年11月11日)

の2つでした!その頃まで人類が存続し、この特別な日の到来を喜んでほしいものです。

同志を発見

同じようなことを考えてる人がいないかな・・・と思って調べてみると、いらっしゃいましたよ!こちらのtsujimotterさんの記事をご覧ください!

うーむ、これはもはや市民権を得たと言っても過言ではないですね。

またこちらのアジマティクスさんはあえて素因数まで持っていかずに規則性について論じておられ、なかなか面白いです。

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