前回ご紹介した、「水だけで伸びるねぎ」の続編です。
もう一度動画を見てください。
伸び方を見ていると、いくらか特徴があるような気がしませんか?なにか気づかれましたか?
伸びるスピードが
例えば、伸びるスピードに注目すると、必ずしも順調に伸びているわけではありませんよね。ぐんぐん伸びていたねぎが、途中から伸びなくなったり。途中から出てきたねぎの方が勢いよく伸びたり。
何人かの人に見てもらったとき、「1つの根から新しいねぎが出てくると、古いねぎの伸びが鈍くなるようだ」という指摘をいただきました。なるほど、言われてみるとそんな気もします。
調べてみました【名付け】
というわけで、ねぎ1本1本の伸び具合を調べてみました。次々に新しいねぎが出てくるので、まずねぎに名前をつけました。太郎、次郎・・・だとワケが分からなくなるので、A、B・・・のようにしました。
1つの根にもともとあったねぎは大文字の名前、新しく出てきた名前は小文字、のようにしてあります。ですから、例えばBとbとb2は同じ根から出てきているねぎです。
調べてみました【長さの測定】
次に、名前をつけたねぎ1本1本の長さを測定しました。
30分おきにおよそ1ヶ月撮影したので、画像は合計1581枚。そこからおよそ1.5日おきに25枚の画像を抜き出し、それぞれの画像に映っているねぎの長さを1本1本測りました。
長さを測定するために使ったのは、その名もズバリ「長さ・面積測定」というフリーソフトです。使うためにはエクセルが必要です。
このソフトの使い方を簡単にご紹介します。画像をまず1枚読み込んで・・・
長さを測定したいねぎに沿うように、折れ線を引きます。下の図の黄色い線です。こうしておいて、長さを測定するボタンを押せば、折れ線の長さが計算されるという仕組みです(基準となる長さは別途指定します)。
このようにして、A~D、a~d、b2~d2の計11本のねぎの長さを測定しました。
結果はこんな感じに【概観】
横軸に日付、縦軸に長さをとって、11本のねぎの長さをグラフにしてみると、こんな風になりました。
さすがにゴチャゴチャして分かりにくいですかね?
ちなみにbなどが途中でなくなっているのは、画面からはみ出してしまったので長さを測定していないためです。また、dなどは途中で長さが縮んでいるように見えますが、これは「手前方向」もしくは「奥行き方向」に倒れているために、画像上では短く見えてしまっているためだと考えられます。
結果【系列ごとに1本ずつ】
A~Dのそれぞれの系列に対して(つまり根っこごとに)グラフを作ると、次のようになります。
これは・・・!新しいねぎが出てくると、古いねぎの伸びが鈍くなる様子が現れているような気がします。特にAとa、Bとb、cとc2あたりで顕著だと思われませんか?
結果【系列ごとに合計】
そこで、A~Dのそれぞれの系列の全てのねぎの長さを足してグラフを作ってみました。
これは面白いですね。どの系列も、同じくらいの勢いで伸びています。それぞれの根が同じ時間内に行う細胞分裂の回数は、大体同じくらいなのでしょうかね?これ以上のことを論じるには、ちょっと管理人の知識が足りませんが・・・(そもそも、ねぎのどこで細胞分裂が起きているのでしょうか?)。
もし、ここまで読まれた方で、ねぎや生物について詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントをお寄せください。いろいろ教えていただきたいです。
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