大気圧というのはかなり強い力で、1平方センチメートルあたり1キログラム*1ぐらいの力なのでした。この力を利用して空き缶をつぶしてみることもできます。
大気圧の大きさはコチラで計算
空き缶つぶしの実験はコチラ
今回はこの大気圧で割りばしを押さえつけて、折ってみましょう。動画での説明も付けましたよ。
割りばしを折るには
割りばしを机の上に置いて、チョップ(手刀)で折るとしたら、皆さんどのようにするでしょうか。おそらく、図のように、割りばしを半分ぐらい机からはみ出した状態で置き、左手で割りばしを押さえ、右手でチョップを振り下ろすのではないでしょうか。
今回は、この「割りばしを押さえる」役割を、左手のかわりに大気圧にやってもらいます。大気圧はいくら強いといっても、「1平方センチメートルあたり」の力なので、押さえる面積が狭すぎると、あまり大きな力にはなりません。割りばしは細くて面積が狭いので、面積を広くする工夫を考えましょう。
新聞紙を押さえつける
定番ですが、新聞紙はどうでしょう。新聞紙を割りばしにかぶせれば、新聞紙の大きな面積を大気圧が押さえつけるので、大きな力になるに違いありません。
例えば、広島県の小中学生が毎月読んでいる「ちゅーピー子ども新聞」は、広げると大体27cm×40cmですから、面積は1080平方センチメートルとなります。すなわち、大気圧が新聞紙を押しつける力は1080キログラム(キログラム重)となります。
・・・約1トン、ということですね。これだけ強ければ十分でしょう。ただし、前回の空き缶のときもそうでしたが、割りばしと新聞紙の間のすき間に空気が入ると邪魔になるはずですので、あまりすき間ができないようにしてみましょう。
これで準備は完了です。あとは、はみ出した割りばしめがけて、素早くチョップを振り下ろしてみてください。できるだけスピードを落とさずに、割りばしに当たった後も振り抜くのがこつです。
実験の模様を動画で
こんな風に準備しました。すき間がなるべくできないように注意しています。
上で述べたように、素早くチョップを振り下ろします。「振り抜く」のがこつです。
失敗の記録も
ちなみに、慣れるまではどうしても、手が割りばしに当たったところで止まってしまうので、うまく折れませんでした。こんな感じになりました。
このときは新聞紙が割りばしと一緒に浮き上がり、割りばしは折れませんでした。
もう一度やってみたんですが、まだ思い切りが悪かったようで、新聞紙が破れてしまいました。
皆さんもぜひお試しを
この記事をご覧になっている皆さん、休日にやることがないなあ・・・と思われたならば、試しにやってみられてはいかがでしょう?案外、折るのが難しくて面白いですよ。
慣れてきたら、いろいろ試してみてはいかがでしょう。新聞紙を小さく切ったらどうか、すき間を大きくしてみたらどうか、など・・・。意外な発見があるのでは。
注意:新聞紙などで割りばしを押さえずに実験を行うと、割りばしが思わぬ方向に飛んで危険です。必ず押さえて、大人の人と一緒に実験してください。
気圧シリーズへのリンク
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そもそも気圧の仕組みが気になる方はコチラ
出典
この記事はちゅーピー子ども新聞 31号(2011年2月20日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。
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*1:正確には「キログラム重」といいます。