前回の記事「へんこうばんで遊んでみようのお話」では「偏光板(へんこうばん)」という板の紹介をしました。この板は決まった向きに振動する光だけを通すので、2枚の偏光板を90°回して重ねると、光が全く通らなくなるのでしたね。
今回は、偏光板を1枚だけ使っていろいろ観察してみましょう。1枚だけだと光が通るから面白くなさそう・・・という気もしますね。実際はどうなのでしょうか。
例えば液晶画面を見てみると
液晶画面のテレビやパソコンは近くにあるでしょうか。なければ携帯電話の画面でもいいのですが、これらを偏光板ごしに見てみましょう。たぶん、何となくうす暗くなって見えると思います。では、少しずつ偏光板を回転させてみてください。すると・・・。だんだん暗くなっていって、ある角度のときに見えなくなりませんか?
実際にやってみるとこんな感じです。写真に撮ってみたのがこちらで・・・
動画にしてみたのがこれらです。
もともとの振動の向き
これはなぜかというと、液晶画面から出てくる光は、初めから1方向にしか振動していないためです(このことを「偏光している」と表現します)。光が1方向に振動している場合は、偏光板の角度をうまく調節すれば、1枚の偏光板で光をさえぎることができます。
ほかにも、青空に偏光板をかざしてみてはどうでしょうか。偏光板を回してみるとけっこう暗くなりませんか?空の方向によって、すごく暗くなる場合もあればそれほどでもない場合もあるようですよ。つまり、空の光も「偏光している」場合があるということですね。
【注意!偏光板を通して太陽をのぞいてはいけません!】
理屈はけっこう難しいのでさておくとして、とりあえずいろいろなものを見てみてはどうでしょうか。液晶画面も製品によって暗くなる角度が違うかもしれませんし、空を見るときに暗くなりやすい方角があるかもしれません。また、ここに挙げた例のほかにも、暗くなる光がどこかにあるかもしれませんよ。
出典
この記事はちゅーピー子ども新聞107号(2014年4月20日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。
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