「ぼくらは物理のおかげで生きている」が3刷に突入!

「ぼくらは物理のおかげで生きている」が3刷に突入!

なんだか最近、本を書いたとかそういう記事がやたら多くなってしまっていますが、またしても増刷のお知らせです。

私が書いた3冊目の本「ぼくらは物理のおかげで生きている」がなんと3刷目に突入します!

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3刷なんて考えたこともなかった

この本は2016年5月に出版になったものでして、内容は最初の記事にある程度ご紹介してあります。身近な生活の中に隠れている「物理」を1つ1つご紹介する本です。

例えば「爪切りと自動車のブレーキは同じ原理だ!」とか「船が水に浮かぶのと飛行機が宙に浮くのは同じ理屈か?」とか「なぜ白熱電球は廃止に向かっているのに蛍光灯はそうではないのか」とか・・・。書くのはとても大変でしたが、仕上がりを見るとなかなか面白く書けたかな?と自画自賛していました。

そうしますと発売2ヶ月ぐらいでなんと増刷になったんですよ。その辺の話は「重版出来!」という記事にまとめました。

ここまでに執筆した3冊の本のうち、増刷になったのはこれが初めてだったのでものすごく驚きました。ある方に聞いたことがあるのですが「最初に書いた本には一番魂がこもっているから、最初に書いた本を越えるのは難しい」というようなジンクスがあるのだとか。ですので、1冊目がなかなか増刷にならないので「そんなものかなあ」と若干気落ちしていたんですよね。

ところが今になってみると、1冊目の「気楽に物理」がまだ初版、2冊目の「身につく気象の原理」が2刷、3冊目の「ぼくらは物理のおかげで生きている」が3刷ですので、ジンクスと逆ですね。まあジンクスと言えば、大学入試のときに「手にすると不合格になる」という評判のお守りを持っていって合格したりもしていますので、そういう人生なのかもしれません(Exploring Kyotoという記事で触れました)。

どの本にもそのときそのときの精一杯の力は注ぎ込んでいるので、まあ結果は神のみぞ知るというところでしょうか。ちなみに書いているときに想定していた主な読者層はこんな感じでした。実際に読んでくださっているのはどんな人なのだろう・・・。

想定していた読者層~~

1.「気楽に物理」は中学生か高校生ぐらいまで(漢字を読むのに抵抗がなければ小学生も)

2.「身につく気象の原理」は気象予報士試験や気象学の勉強をしようかなどうしようかなと迷っている初学者

3.「ぼくらは物理のおかげで生きている」は高校を卒業した大人

「ぼくら」シリーズは他の本も増刷中!

ちなみに「ぼくらは物理のおかげで生きている」はシリーズ物になっていまして、ほかに化学・生物学・数学があります。なんと、どれも増刷になっているそうです。

たぶんどの本も、「ちょっと○○学っていうのに興味があるから読んでみようかな」という人に読まれているのだと思います。この出版不況と言われる時代にあって、どの分野も増刷がかかるぐらい興味の裾野があるというのは、日本の科学界にとっては明るいニュースかもしれません。もっとも、あのニュートンプレスが経営難に陥ったという話もあるので、実際は明るくないのかもしれませんが・・・。

研究する人・教育する人・浅く広める人・強いインパクトを与える人

そういえば半年ほど前、科学誌「ネイチャー」に「日本の科学研究は失速している」という趣旨の記事が出ていましたね。この記事だったかな。失速というのは「高品質な科学論文に占める日本からの論文の割合が減っている」ということです。記事の要約はこちらが読みやすいです。

上記記事では、科学技術予算の削減が大きな原因ではないかと推測していますね。そうかもしれません。

そのことと関連するかどうか分かりませんが、この記事にあるように、大学の先生の研究時間はすごい勢いで減っているらいいのです。10年間で70%ぐらいに減っていますね。教育時間は横ばいです。気になるのは「社会サービス」で、これが2倍ぐらいに増えています。

「社会サービス」とは恐らく、講演会・サイエンスカフェ・一般向け書籍の執筆などといったものかと思います。こういったものに対して果たして今ぐらいの時間を割くべきなのか。もう少し研究の方に時間を戻すべきではないのか?ということも考えていった方がいいのでは・・・と個人的には思います。外向けの活動が得意な先生はいいんでしょうけど、「研究は得意だが外向けの活動は不得意」という先生も絶対いると思うんですよね。そういう先生は研究に没頭していただいた方が、トータルで見ると科学界への寄与は大きくなるのではと。

イメージとしては「研究」「教育」「浅く広める」「強いインパクトを与える」というような4つの活動を、社会の色んな人が分担するという感じです。どんな人にも得意・不得意はあるし、仮に全分野が得意だったとしても時間や体力・精神力という資源は限られているわけです。ですからある程度の分担ができるといいのになと思う次第です。「ぼくら」シリーズは「浅く広める」に当てはまると思います。

 

書籍の3刷突入を報告する記事のつもりがあらぬ方向へ行ってしまいましたが、「物理なんて公式の羅列でしょ?えっ?身のまわりにあるの?」などと思われた方は、この機会にぜひお求めください。

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